第12章 初めてのミス
それから、しばらくして楽屋の扉が開いて、勇ちゃんと ちゃんが戻って来た。
俺は思わず ちゃんを見た。
まず確認するのは顔色。
太智君「……大丈夫?」
ちゃんは笑って、
「うん。大丈夫。勇斗君が一緒に来てくれたから助かった。ゴホッゴホッゴホッゴホッ」
と言ったこの「勇斗君が一緒に来てくれた」が、俺には一番キツかった。
だから俺は、「そっか。」としか言えなかった。
それに何か咳、酷くなってないか?
顔も少し赤いし、スゲー心配だ。
「もう無理するなよ。」
心配のあまり少し口調がキツくなってしまった。
「うん……。」
と言ってちゃんは、返事をして泣きそうな顔になる。
太智君「返事だけじゃなくて、本当に具合悪いんならちゃんと言って。」
「・・・ごめんなさい。」
勇斗君「おい、太智(呆)」
勇斗が横から制する。
太智君「だから謝ってほしいんじゃ……」
そこで俺は言葉を止める。
本当は、「心配なんだよ。」
と言いたい。
でも「好き」が漏れそうで言えない。
だから、「……もういいよ」と言ってちゃんから離れて楽屋を出た。