第5章 【第四話】黒衣に宿る祈り
「ティファ、少し腕を上げてもらっていい?」
ジョニーの声に、私は我に返る。
「ええ」
指示に従って腕を上げると、彼は肩幅から腕の長さまで、慎重に測っていった。
その隣の作業机には、何枚もの紙と黒い布見本、銀糸の束が広げられている。
紙の上へ描かれているのは、これから私が纏う団服の構想だった。
黒を基調とした細身の上衣。
喉の動きを妨げない高い襟。
腰からは、脚の動きを妨げないよう正面を開いた長い布地が流れ、左胸には銀色の紋章が描き込まれている。
まだ紙の上の線に過ぎない。
それでも、祈りのための静けさと、戦うための鋭さが、同じ黒の中に息づいているように見えた。