• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第25章 【第二十四話】終幕なき夜・前編



無駄のない声音。
神田は短く鼻を鳴らす。

「足引っ張んなよ」
「承知しています」

トマは淡々と返した。


その落ち着いた態度に、私は少しだけ安心する。

その時だった。


「ティファ」

振り返る。

少し離れた場所に、ラビが立っていた。


いつもの軽い笑み。
けれど、片方だけ覗く翠の瞳は、全然笑っていない。


私は小さく息を呑む。


ラビはゆっくりこちらへ歩いて来た。


周囲には神田もトマもいる。

だからだろう。
私へ触れる代わりに、彼はほんの少しだけ距離を詰めるだけで止まった。


「……薬、持った?」
「持ったわ」

「傷、痛んだら我慢すんなよ」
「分かってる」

「あと、その……」


ラビの視線が、一瞬だけ私の荷物へ向く。


中に、あのドレスが入っていることを思い出したのだろう。

露骨に嫌そうな顔をする。


私は思わず小さく笑った。


「任務よ」
「分かってるさ」

低い声。

「分かってるけど、嫌なもんは嫌」


あまりにも素直な言い方に、胸が甘く疼く。

/ 1033ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp