第25章 【第二十四話】終幕なき夜・前編
さらりと落ちた言葉に。
執務室の空気が、止まった。
「…………」
私は固まる。
コムイさんの眼鏡が、ずるりとずり落ちた。
トマが、抱えていた資料へ静かに視線を落とす。
そして。
神田だけが、ぴたりと動きを止めていた。
その視線が、ゆっくりラビへ向く。
「……恋人?」
私は一気に顔が熱くなった。
「ラ、ラビ……!」
ラビはそこでようやく、周囲の反応に気付いたらしい。
「あ」
珍しく、間の抜けた声を出す。
けれど。
次の瞬間には、小さく息を吐き、私の隣へ立った。
誤魔化すつもりなどないみたいに。
「……そうだけど」
静かな声。
息が止まった。