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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第3章 【第二話】次へ繋ぐ手




窓の外を、荷車が一台通り過ぎていった。


「……ティファは、いつもそうだ」

「え?」

「怖いって顔してるのに……僕の心配ばっかり」

責められた方が、まだ楽だった。


「僕は……それが、嫌です」

「……アレン」

「ティファが強いことは知っています。僕よりずっと先に戦って、ずっとたくさんの痛みを見てきたことも」


アレンが顔を上げた。銀灰色の瞳が、真っ直ぐ私を捉える。


「でも……強いからって、平気なわけじゃないでしょう」

その言葉に、息が止まった。何かを返そうとしても、声が出ない。


平気じゃない。本当は、不安で仕方がない。

教団へ向かうことも。師匠の傍を離れることも。

そして、アレンと別れることも。


それを全部口に出せば、もう足が動かなくなるような気がしていた。


「……そうね」

ようやく、それだけ答える。

「平気では、ないわ」

アレンの表情が、わずかに歪んだ。


私は小さく息を吐き、無理に笑うのをやめた。


「怖い。でも……行きたいの。自分で確かめたい」


窓から差し込む白い朝の光が、床へ淡く落ちている。

アレンが、ゆっくり拳をほどいた。


「……分かりました」

まだ苦しそうな声だった。


「僕は、師匠と残る」

「うん」


「ちゃんと強くなります」


アレンが、一歩だけ私へ近付く。


「次に会った時……ティファが一人で抱え込まなくて済むくらいに」


胸の奥が、熱くなった。

返す言葉が見つからず、私はただ小さく頷く。


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