• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第19章 【第十八話】偽物じゃなかった愛~クロウリー編③



ぐちゃり、と。

目の前で、巨大な花がゆっくりと口を開けた。鋭い牙の奥から、生臭い息が吹き付けてくる。

「……やば」

ラビが呟いた。


レイピアを握ろうとしても、締め上げられた腕に力が入らない。隣で、アレンが左腕に力を込める。蔓がぎしりと軋むだけで、びくともしなかった。


「――あ」

アレンが、何かを思い出したように目を見開いた。

「そうだ……! 最初に襲われた時、どこかで見たことがあると思ったんです!」

「いや説明は後!!」

「師匠と旅していた頃、僕、これと同じ花を世話したことがあります!!」

「……マジで!?」

「……あ。師匠の、あの鉢植え……」

「ティファも知ってたんかよ!?」

「……忘れてたのよ」


「この花、好意を持った相手には噛み付かないんです! だから、愛情を伝えてください!!」

「いやいやいや!!」

ラビが、目の前の巨大な花を見る。花も、ラビを見た。

「こんなバケモン相手に!?」

「ちゃんと伝えれば大丈夫です!!」


ラビは一瞬黙り込んでから、急に覚悟を決めた顔になった。

「……分かった! やるしかねぇさ!!」


花へ向き直る。

/ 392ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp