第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
「村長さん達は、ここで待っていてください」
アレンの言葉に、村長ゲオルグがものすごい勢いで頷いた。
「もちろんです!! あんな化け物同士の戦いにいたら、人間の我々は死んでしまいますから!!」
「…………」
「…………」
「……オレらも化け物扱い?」
ぽつりと呟いたラビの声には、笑い切れない響きがあった。アレンも、自分の左手を見下ろして瞬きをする。
「……なんか、すごく虚しい気分です」
何も言えずに私は苦笑した。
「ティファ、何か感じますか?」
「アレンから、半分吸血鬼の気配がするさー」
「しませんよ!!」
いつもの言い合いに、少しだけ肩の力が抜ける。
目を閉じる。肌の内側をなぞる、あの薄い気配を辿った。
「……城の奥から微かに。でも、一つじゃない」
「よし。行くか」
ラビが前へ出て、アレンがその隣に並ぶ。二人の間が少しだけ空いていて、私はそこへ踏み出した。
城の闇が、三人分の足音を呑み込んでいった。