第14章 【第十三話】夜明けまで、この手を
ベッドの上で、ティファの眉が苦しそうに寄った。呼吸が浅い。
「や……」
「ティファ?」
オレは、とっさに身体を起こした。
毛布の上で、左手が何かを探すように彷徨っている。
胸ん中が、ぎり、と軋んだ。
考えるより先に、手が出てた。
包帯の巻かれた手で、その手を掴む。ティファの指が、無意識にきゅっと握り返してきた。
「ラビ……」
息が、止まった。
ティファは目を覚まさない。握った手に縋るように、少しだけ力を込めてくる。
それだけで、浅かった呼吸が落ち着いていく。
……反則だろ、それ。
「……いるさ。ここに」
ティファの眉から、ようやく力が抜けた。握る力が、少しだけ緩む。
「勘弁してくれって……」
空いた方の手で、髪をくしゃりと掻き回した。
ベッドの脇に座り込んだまま、ティファの寝息を数える。
幾つまで数えたのかは、覚えてねぇ。