第12章 【第十一話】触れてはいけない距離
翌朝、ゴーレム越しに、コムイさんから呼び出しがあった。
『朝早くにごめんね、ティファちゃん。執務室まで来てくれるかな。ラビにも、声を掛けてある』
執務室へ向かう間、最初に何と言えばいいのか、何度も考えた。
扉の前で、一度だけ息を整える。
開けると、書類に埋もれた机の向こうで、コムイさんが顔を上げた。その手前の壁際に、ラビが立っている。
目が合う前に、ラビの方から視線を逸らした。
「来てくれてありがとう。二人に関係する話なんだ」
コムイさんは一度だけ、私たち二人を見比べてから、眼鏡の位置を直した。
私は、ラビから一人分の間を空けて、机の前に立った。