第8章 【第七話】肩を並べる約束
ラビは答えなかった。
車輪の音が、二人の間へ規則正しく落ちていく。
窓の外を見たまま、彼は軽く笑った。
「……オレのこと、ちゃんと頼れよ。そんだけさ」
私は膝の上で重ねていた指へ視線を落とす。
「ええ。約束する」
「約束、ね」
ラビが小さく繰り返す。
それから、ようやくこちらへ目を向けた。
「じゃあ、オレも約束しとく」
「何を?」
「ティファが無茶しそうになったら、オレが止める」
「……私が破る前提なのね」
「念のためさ。実績あるし」
軽い笑い声に、私も僅かに口元を緩めた。
笑いが収まっても、ラビの目は私から離れなかった。
……記録のため、よね。
そこから先を考えかけて、私は小さく首を振った。
窓の外では、雪がさらに深く降り始めていた。