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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第50章 【第四十五話】『守る』というかたち


翌日。

食堂へ向かう途中で、ラビと会った。

食堂では、いつも通りアレンをからかって笑っていた。



食事を終えて病室へ戻る途中、婦長さんがラビを呼び止める。

「ラビ。あなたは、こちらにいらっしゃい」


「え、オレ?」

「肩の包帯、まだ替えてないでしょう。今朝、来なさいって言ったわよね」

「あー……この後行こうと思って――」
「今が『この後』よ。連れて行って」


「はい。さあ、行きますよ」

医療班の女性が、慣れた様子でラビの腕を取った。


「ちょ、待っ――自分で歩けるさ!」

抵抗する間もなく連行されていく。


途中で、ラビが一度だけこちらを見た。


「後でな」

いつも通りの声だった。


「……ええ」

小さく手を振る。



医療班に連れられていくラビの背中が、廊下の角へ消えていく。


……考えすぎだったのかもしれない。


ここ数日、勝手に引っかかって、勝手に不安になっていた。

いつも通りの背中を見ていると、そんな気さえしてくる。



角を曲がる直前。
ラビの手が、無意識みたいに包帯の巻かれた肩へ触れた。

そこで初めて気づいた。


あの包帯。

最初に会えた日から、ずっと肩に残っていた。



気づいていたはずなのに。
その下がどれほど痛むのか、一度も尋ねていなかった。

会えばいつも笑って。
私の心配ばかりしている人の傷を。

私は、ちゃんと見たことがなかった。




廊下の角は、もう空っぽだった。

さっきまで隣にあった足音も、聞こえない。


私はしばらくそこに立ったまま、ラビが消えた先を見ていた。


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