第50章 【第四十五話】『守る』というかたち
廊下へ出ると、思っていたよりも賑やかだった。
崩れた区画の撤去が続き、あちこちに資材が積まれている。
ファインダーの人達が荷を運び、科学班が箱を抱えて走る。
時折、
「あーっ! それ持ってくなー!」
という悲鳴がどこかから聞こえた。
「お、ティファちゃん! 歩けるようになったんだ!」
「よかったなァ、心配してたんだぜ」
すれ違う科学班の人達が、次々に声をかけてくる。
「ありがとうございます。……もう、大丈夫です」
「おおっ、声も出てんじゃん!」
「その声が聞けなくなったらどうしようかと思ったよ」
笑い声が起き、また一人、また一人と持ち場へ戻っていく。
皆、自分のことみたいに喜んでくれた。
久しぶりに吸う空気には、埃と砕けた石と、誰かの汗の匂いが混じっていた。