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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第50章 【第四十五話】『守る』というかたち



科学班から上がってきた、リナリーのイノセンスについての報告だった。

足に残ったアンクレットは、彼女の血液が変化したもの。


科学班は新たな形態を「結晶型」と呼び始めている。

装備型の進化した形。


血を媒介にイノセンス自体が武器を作り、壊れても修復できる。
報告の末尾には、他の装備型適合者にも同じ変化が起こる可能性があると記されていた。


――装備型。

オレも、そこに含まれる。



頁を眺める。


もしオレのイノセンスが結晶型になったら。
今まで届かなかったところまで、届くようになるかもしれない。


もっと強ければ。

また誰かの名前を、死者名簿に書き足さずに済むかもしれない。


本来なら、そんなことを考える立場じゃない。
なのに、頁を閉じる気になれなかった。




「ラビ」

顔を上げると、扉のところにじじいが立っていた。

肩口にはまだ包帯が残っている。


「じじい、まだ休んでろって言われてただろ」
「お前も人のことは言えんだろう」

じじいは机の上へ目をやり、結晶型の頁で視線を止めた。


「……読んだか」
「ああ」

「リナ嬢のイノセンスは、願いに応えたのだろう」


「……らしいな」

オレは頁へ目を落とした。

「なあ。結晶型ってのは、寄生型みてぇに寿命が短くなったりすんのかな」


口にした「寄生型」という言葉が、別の不安まで引きずり出す。


――ティファのイノセンスも、寄生型だ。


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