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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第50章 【第四十五話】『守る』というかたち




しばらく、そのまま目が合っていた。


先に逸らしたのは、私だった。

さっきまで触れていた唇が、まだ熱い。


何となく落ち着かなくて、繋いだ手の指先を少し動かすと、ラビが小さく笑った。




扉が二度、軽く叩かれる。

「ティファ、入るわよ」

聞き慣れた声に、ラビが私の手を離した。


「はーい」

ラビが私の代わりに返事をした。


扉が開き、婦長さんが盆を片手に入ってくる。

「ラビ、まだいたのね」

「まだ面会時間内だろ?」
「そうね。なら、あまり喋らせすぎないで頂戴ね」

「分かってるさー、そんくらい」

「あなたがいると、この子まで調子に乗りそうなのよ」

「なんでオレのせいなんさ!?」

心底納得がいかないらしい。


私は笑いそうになり、慌てて口元を押さえた。

婦長さんはそんな私達を気にする様子もなく、盆をベッド脇へ置く。

「ティファ。今日の発声訓練の記録、見せてもらったわ」


「……はい」

まだ少し落ち着かない声で答える。

婦長さんは記録用紙を確認しながら頷いた。

「今のところは順調ね。日常会話なら、少しずつ増やしていって大丈夫そうよ」

「ほんとですか?」

思わず声が弾む。

「ええ。ただし、順調だからって調子に乗らないこと」


「……はい」

「特に歌。これはまだ駄目よ」

私は少しだけ口を噤んだ。


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