• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第50章 【第四十五話】『守る』というかたち


Side:ティファ


目が覚めた時、最初に見えたのは医療棟の白い天井だった。



ぼんやりと瞬きをする。


……あれ。

私、確か――。


第五研究室。

タップ。


歌って、それから声が出なくなって……。


そこまで思い出したところで、視界の端から看護師さんの顔が覗き込んできた。

「……気が付いた?」


返事をしようとして、口を開く。


音は出なかった。

喉の奥で空気が擦れるだけで、声にはならない。



ああ、そうだった。

最後にラビへ何か言おうとしても、もう声が出なかったんだ。


分かっていたはずなのに、改めてその事実を突きつけられると、心臓の奥がすっと冷たくなった。



「無理に喋らないの」

看護師さんは私の様子を見て、少しだけ声を和らげた。

「エクソシストの皆は無事よ。……ラビも生きてるわ」


一番聞きたかった名前が、一番最後に来た。



思わず看護師さんを見ると、何もかも分かっているような顔で、小さく息を吐いた。

「まだ会わせられないけどね。あの子も治療中なの。大人しく寝てなさい。――『お互いに』ね」


最後の一言に、妙な力がこもっていた。




何の説明もされていないのに、少し嫌な予感がした。



/ 1229ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp