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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第49章 【第四十四話】灰に咲く白百合



「ほら、来いよ」

ソカロが、愉しそうに歯を剥く。

「たっぷり遊んでやるぜぇ」



レベル4の顔が、初めてはっきりと歪んだ。


上へも行けない。

下へ戻れば、アレンとリナリーがいる。


帯に絡め取られた身体が、宙で止まる。

その一瞬だった。

「リナリー!」
「うん!」

赤い光が、空中を駆け上がった。


リナリーの蹴撃が、レベル4の身体を下から打ち抜く。

胸元まで広がっていた亀裂が、その衝撃へ応えるように一気に全身へ走った。

新たに生まれた割れ目からも、白銀の光が溢れ出す。

アレンが帯を強く引いた。
引き戻された白い身体へ、退魔ノ剣が真っ直ぐ突き込まれる。



赤い軌跡と、退魔ノ剣が放つ白銀の光。

二つの光が全身を走る亀裂を伝い、白い身体の内側へ駆け抜けた。



「――ァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

断末魔とともに、白い装甲が砕け、歪んだ羽がほどけていく。



やがて身体そのものが無数の光の粒となり、吹き抜けへ降り注いだ。

ティファの耳へ最後の声が届く。


――アリガトウ。



小さな声だった。


誰のものかも分からない。
けれど確かに、そこにいた誰かの声だった。

救い出すことも、歌で送り出すこともできなかった。
ただ、あの声を聞いていただけだった。


――ああ。

廊下で泣いていたのは、あなただったのね。



最後の光が、静かにほどけていく。



アレンは荒い息を吐きながら床へ降り立ち、そのまま膝をついた。


リナリーが駆け寄り、肩を支える。

アレンの肩は、呼吸に合わせて上下していた。



――ああ……みんな生きてる。

それを確かめた途端、全身から力が抜けた。


張り詰めていた視界が、ゆっくりと滲んでいく。



もう、立たなくていい。

そう思ったところで、意識がふっと遠のいた。


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