第10章 恋する乙女のための小夜曲
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ショッピングモールに入って、ぶらぶらする。たまに優子が洋服や小物を見たりする。彼女はやっぱり中間色系の優しい色合いのものが好きだし、キャラ物よりは少しシックなデザインのものに惹かれるようだ。
「ねえ、これどう?」
ヘッドに青色の石がついたネックレスをあてがって見せる。たぶん、欲になっていると思う。自分に似合うものがよくわかっているみたいだ。
見ているだけで楽しいらしい。その様子を見ているのが、なんとなくほほえましい。
女の子って、みんなこうなのだろうか?
もこういうところに買い物に来たら、やっぱりあんな風にはしゃぐのかな?
には、きっと、こっちの木でできた大ぶりのヘッドが付いたネックレスが似合いそうだ。彼女は木とか、粗削りの石とか、自然の素材を好む傾向にある。
は、どんなふうに喜ぶのかな。
「高山くん?」
メガネを掛けた優子の顔がいつの間にか結構間近にあって、びっくりする。
「何か気になるものがあった?」
「え、いや・・・」
いくらボクがぼんくらでも、ここで「の事を考えていました」と言わないでいるくらいのデリカシーは持ち合わせている。
「ね?あっち行ってみよう!」
優子がボクの手を取る。柔らかい手の感触、少し高い体温。ボクの手を引いて、楽しそうに笑う。学校での少しおとなしい印象とは随分違う。
彼女はボクを靴屋やバックの店、メガネ売り場などに連れて行った。そこ、ここで色々と試着して見せてくれたり、ボクにも服やメガネを勧めてくれたりした。
話しているうちに分かったが、彼女は一人っ子らしい。ボクが妹の話をしたら羨ましがった。
「私もお兄ちゃんがほしかったな」
「え?そうなの?」
「そう!宿題教えてもらったり、どこかに連れてってもらったり・・・」
「うーん、そんなにいいものかなあ?」
妹の風香のことを思い浮かべる。あいつにはいっつもバカにされているような気がするし、なんとなればボクよりも頭いいんじゃないかと思うことすらある。こっちが宿題みてほしいくらいだ。
「高山くんみたいなお兄ちゃんだったら良かったのに」
え、それってどういうこと?なんと反応していいかわからない。
戸惑っているうちに、彼女は先に歩いて行ってしまう。