第10章 恋する乙女のための小夜曲
昼も近くなったので、彼女が行きたいと言っていたカフェを目指す。
パンケーキを主体とした店だったが、ハンバーガーなども出してくれる。ハンバーガーといっても、マクド◯ルドのようなものではなく、皿に盛られてくる、豪勢なやつだ。そこそこの値段はするが、まあお小遣いの範囲だ。
彼女は季節のパンケーキセット、ボクはハンバーガーのセットを頼んだ。待っているときも、彼女は肘をついてボクの方をニコニコと見ている。
「私、高山くんのことずっと見てたんだよ?」
ドキン、とする。
思わず、カメラマンを探して周囲を見回したくなる。
それほど、ボクにとっては非現実的な状況だ。
ここまでくれば、いかにニブチンなボクでもわかる。
彼女は、笹本優子は、ボクのことが本当に好きなのだ。
頭がグラングランしてきた。小学生、いいや、保育園の頃からを、だけをずっと見てきて、が大好きだったボクにとって、他の女の子は、変な話し『範疇外』だった。目に、入ってすらいなかった。
加えて、小学校4年からは、の『発情』が気になりすぎて、ますます他の子のことなんて考えるゆとりはなかった。
でも、今、目の前に、結構・・・いや、とても可愛らしい女の子がボクを見ている。話していても、変に緊張しないで済むし、ほんわかした気持ちにもなる。
そして、何より、胸が大きい。
なんだろう。不思議な気持ちだ。胸の奥がくすぐったくなるような、あったかいような、そんな感じだ。
ボクは、今、生まれてはじめて、以外の女の子を本当の意味で『見た』気がした。