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彼女はボクに発情しない

第8章 北風と太陽による諧謔曲


てっきり、あの分かりやすい陽兄の好意をお姉ちゃんは承知していると思いこんでいた。なんだったらむしろ付き合っているんじゃないかと思っていたくらいだ。

だって、この間だって、雨の日にお姉ちゃんを迎えに行って、ずぶ濡れになって熱出したりして・・・あんなの、恋人同士じゃなきゃしないでしょうに!

え?マジ?

今度は私が固まった。場が凍りつく。方や頭の先から足の先まで真っ赤になったお姉ちゃん。方や顔が真っ青になっているだろう、私。

ど、どうしよう・・・。
陽兄がお姉ちゃんを好きなのは1000%確実だとして、それを本人が言う前に私が言っちゃった!!!

え、でも・・・いや、だって・・・。

「あ・・・あの・・・お姉ちゃん・・・?」
やっとの思いで声を絞り出す。
「な・・・なあに?風香ちゃん・・・?」
動きが機械人形のようになったお姉ちゃんも同じくらい辛そうに声を出す。
「今の・・・聞かなかったことに・・・して・・・くんない?」
無理だよね〜。ごめん・・・陽兄!
「あは・・・はは・・・そ、そうね・・・そう・・・しようかしら」
え?受け入れるの?この提案!
お姉ちゃんが今まで見たことがない引きつった笑顔を浮かべた。
「じゃあ、私が、今日、ここに来たってのも・・・」
「内緒・・・内緒にしましょう」
「そうしましょう・・・」

こうして、私、高山風香との、不思議な同盟が誕生した。
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