第8章 北風と太陽による諧謔曲
妹はの『発情』を知らないから、が取った行動がいかに今までと異なってるかがわからないのだ。
「それとも、お姉ちゃんは、陽といつも一緒に帰っていたの?」
「大体・・・」
「ふーん。やっぱり、お姉ちゃん、陽のこと好きなんだね」
え?・・・好き?
「いや・・・それは・・・」
違うんじゃないかな・・・。はボクには発情しないわけだし、ボクはにとって男として見られていないのだと思うんだ。まあ、これは風香には言えないけど。
「まあ、男の子は知らないけど、女の子は好きでもない人と一緒に帰ろうなんて絶対思わないと思うよ。ましてや、『合宿』とか言って、二人でイチャイチャ勉強するなんてありえないよ。この時点で、この世界の7不思議のひとつに数えてもいいくらい不思議だし、お姉ちゃん自身、私は大好きだけど、男の趣味は疑っちゃうっていうか、本当に審美眼だけが残念なんだなと思っちゃうけど、お姉ちゃんは陽のこと好きなんだね。」
いや、言い方、言い方。酷くないか、あまりにも、それに、イチャイチャって・・・お前。
ボクの主観としては、イチャイチャと言うより、ぐちゃぐちゃにされているんだが、こっちが。
「そんなお姉ちゃんが、そそくさ帰ってしまうって・・・やっぱりおかしいね。陽、何かしたでしょ?お姉ちゃんを傷つけるようなこと」
だから、それを一生懸命考えてるんでしょうが!
「心当たりがないっつーか・・・。」
「じゃあ、直接聞くか」
風香がスマホを取り出して、電話しようとする。ちょ・・・ちょい待ち!
ボクが慌てて止めると、怪訝そうにする。ダメだ、直接聞かれるのが恥ずかしすぎるのもあるが、もし案件が『発情』絡みなら、を困らせてしまう。
「なんで止めんのよ。こう見えて、私はお姉ちゃんと仲いいんだから」
いや、知ってるけどさ。