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彼女はボクに発情しない

第5章 保健室のブルース


「おー、こいつ人気あるな。じゃあ、お前と、お前、二人で頼む。一人が足を、一人が上半身を抱えて・・・そうそう、そんな感じだ。そのまま頼む。えーっと、あと一人・・・」
飯長先生が見回す。今度こそ・・・

「あ・・・わた・・」
私が、と言おうとした時、先生が「保健委員、ついてきてくれ」と言った。倉橋さんが席を立ち、同行することになった。

ガックリと私は席についた。ダメだ・・・私・・・本当に・・・。
陽太が心配でたまらない。ついていきたい。でも・・・でも・・・。

彼らが言った後も、私はチラチラと教室の戸口を未練がましく見てしまう。

「さんも心配なのですか?」
壬生先生が声をかけてくれた。はい、と私はうつむく。
「ああ、さんは高山くんとは幼馴染でしたね・・・。もしかしたら親御さんに連絡するかもしれませんから、さんも保健室に一緒に行ってもらってもいいですか?」

え?

私は顔をあげると、先生を見た。先生は優しそうに微笑むと、私に早く行くように促してくれた。

☆☆☆
「あら、あなたも来たのね。ちょうどよかったわ」
保健室に行くと、男子二人が陽太をベッドにおろしているところだった。ぐったりとした陽太を倉橋さんが支えている。

「わ、私が・・・」
思わず、手を出し、陽太を支えようとしてしまう。
「え・・・さん?」
倉橋さんに驚いたように言われて初めて私は自分が突然出過ぎた真似をしてしまっていた事に気づいた。

「ああ、倉橋さん。手が空いたならひとっ走り職員室に行って、佐伯先生に高山の家に電話するように伝えてくれ。頭打ってるから、一応迎えに来てもらおう。」
よかった・・・。なんとなく、飯長先生に言われて私が倉橋さんと役割を変わったような感じになった。

「じゃあ、俺等はもう、戻るな」
陽太を運んでくれた男子二人が教室に戻っていった。

私は陽太の上半身が横にならないように支えようとしているが、陽太はぐったりしていて力を入れていないとすぐに倒れてしまいそうだ。本当に大丈夫なのだろうか?
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