第4章 妖精の夜想曲
陽太が後ろを振り返ってくれたので、私はやっと洗面台で手を汚している自らの淫液を洗い流し、散らばっているショーツとスカートを身につける事ができた。
「もう・・・いいわよ」
言うと、陽太は黙って淫具と自身の手を洗うと、手慣れた様子で部屋の消臭を始める。立ち込めた淫猥な臭気が爽やかな香りに置き換わっていく。
まるで、私の発した淫らな痕跡を追い出そうとしているかのようだ。
「も、もう、行っていいわよ・・・」
苦しくて、恥ずかしくて、これ以上のことは言えない。本当はお礼を言わなきゃいけないのに。いくら感謝しても足りないくらい、陽太には感謝しているのに・・・言葉が出ない。顔も直視できない。
今日のことを思い出して、ベッドの上で私は涙を流した。
つーっと右の瞳から、ついで、左から。
こんな身体じゃなければいいのに・・・。
こんな淫乱女、きっとあなたは願い下げだよね。
目を覆うと、私は声を殺して泣いた。