第3章 愛する人に捧ぐ鎮魂歌
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同時刻。リビングにて。
風呂場から、地獄の亡者もかくやという不穏な叫び声が聞こえる。普通なら何事と確かめに行くところだが、高山家の人たちはそうでもないようだ。
「おかーさん。陽兄がなんか叫んでるよ」
風香はリビングの机で国語の宿題を片付けながら顔もあげずに母に一応訴えた。
母は母で夕食の煮物の味付けを味見皿で確認している。
「男の子の思春期って、色々あるのよね」
味付けに満足したのか、鍋を火からおろし、次の惣菜の下ごしらえを始める。
「キモ」
風香もまた、顔すらあげず、一言だけで母に応える。
まだ、風呂場からは、陽太の叫び声が響き続けていた。