第45章 誕生日
朝日が差し込む雄英高校、三年A組の教室。
ホームルーム前ということもあり、教室はいつも通りの賑やかさに包まれていた。
友達同士で楽しそうに話す者。
提出前の課題を慌てて写している者。
自分の席で机に突っ伏し、朝から熟睡している者。
そんな中――
「ねえねえ、どうする!?」
ひときわ大きな声が教室に響き渡った。
「ユカリの誕生日!!」
声の主は、波動ねじれ。
その一言に、周囲のクラスメイトたちも一斉に反応する。
「あー!」
「もうそんな時期か!」
「今週の日曜だっけ?」
「そうそう!」
教室のあちこちから声が上がる。
ねじれは待ってましたとばかりに、ユカリの机へ勢いよく身を乗り出した。
目をきらきらと輝かせ、その表情は完全に楽しんでいる。
「みんなでパーティーしようよ!」
「パーティー?」
「寮で!」
ねじれは両手を大きく広げる。
「飾り付けして!ケーキ買って!プレゼント渡して!いっぱい写真撮るの!!」
「波動さんが一番楽しみにしてるよね!」
横からミリオが笑いながら突っ込んだ。
「もちろん!だってユカリの誕生日だよ!?」
あまりにも迷いのない返事に、教室中から笑い声が上がった。
「もう……」
当の本人であるユカリは、困ったように頬を緩める。
「そんな大袈裟にしなくてもいいよ?」
「ダメ!」
即答だった。
「誕生日は特別な日なんだから!」
「そうだぞ、ユカリ」
ミリオまで当然のように便乗する。
「年に一回しかないんだから!」
「いや、毎年あるよ?」
「細かいこと言わない!」
「細かくないよ」
さらりと返すユカリに、またしても周囲から笑いが起こる。