第34章 恋情増幅・後日談
当のユカリは、まさか自分の小さなファンサービスが、後輩二人の理性をここまで粉々に粉砕したとは夢にも思わず、「うん、自然に挨拶できたよね」と満足げに微笑んでいる。
そんなユカリのすぐ隣で、トレイを持った環が、ぼそりと低くツッコミを入れた。
「……ユカリ、あの二人完全にキャパオーバーしてる」
「えっ!? 私ただ普通に挨拶しただけだよ!?」
無自覚なユカリの行動に、環は今日一番の深い溜め息をつくのだった。
「見たか今の!? ユカリ先輩のマルチロックオンお手振り!!」
「爆豪が茹でダコになって轟くんがフリーズしたぞ!!」
「【ユカリ先輩無双派】の完全勝利だあああああ!!」
―――こうして。
遠くで双眼鏡を覗いていたファンクラブたちが「尊死……!」と机に突っ伏す中、雄英高校の平和な昼休みは更けていくのだった。