第29章 救出
―――そして現在。
ヴィラン連合のアジト。
今しがた報告を聞いた死柄木が眉をひそめる。
「……勝手に動いてる?」
「うん」
トガは楽しそうに頷く。
「雄英も警察もプロヒーローも捜索してるんだけどね。別で勝手に動いてるみたい!」
死柄木は大きくため息を吐いた。
「よりによってかよ」
正直、かなり面倒な奴らだ。
まず通形ミリオ。
現役生徒の中でも最高戦力クラス。
そして天喰環。
単独制圧能力が高い。
加えて。
爆豪勝己。
轟焦凍。
緑谷出久。
どいつもこいつも問題児だ。
しかも。
「連携してる」
トガが付け加える。
死柄木の表情がさらに険しくなった。
それが一番厄介だった。
個々が強いだけならまだいい。
だが、今の五人は違う。
ユカリ奪還。
その一点で目的が完全に一致している。
だから余計に面倒でしかなかった。
***
深夜。
誰もいない訓練施設。
五人が集まっていた。
ミリオ。
環。
爆豪。
轟。
出久。
異様な組み合わせだった。
「まず確認だ」
ミリオが口を開く。
普段の明るい声ではない。
静かだった。
「ユカリを連れ戻す」
全員が頷く。
それだけだ。
議論の余地はない。
「警察の捜査は続いてる」
「だが時間がかかる」
「ヴィラン連合は移動する可能性もある」
環も頷く。
「……長引くほど危険」
出久は大量のメモを広げていた。
机いっぱい。
ヴィラン連合の情報。
目撃情報。
過去の行動パターン。
アジト候補。
全てまとめてある。