第27章 ヴィラン連合
だが。
ユカリはそんな死柄木を複雑そうに見ながらも言う。
「……でも」
静かに目を伏せる。
「それが人を傷付けていい理由にはならない」
ユカリも目指すものがある。
ここだけは譲れなかった。
「絶対に」
部屋が静かになる。
死柄木も否定しない。
ユカリも目を逸らさない。
「私はそう思う」
静かな声だった。
死柄木はしばらく何も言わなかった。
やがて。
「そうだろうな」
ぽつりと呟く。
怒らない。
否定もしない。
ただ。
どこか疲れたように笑った。
「だからお前はヒーローなんだろ」
その時だった。
部屋の扉が勢いよく開く。
「弔くーん!」
トガだった。
息を切らしている。
「大変!」
死柄木が眉をひそめる。
「なんだ」
トガは笑顔だった。
でも。
その目だけが笑っていない。
「雄英が動いたよ」
部屋の空気が変わる。
ユカリも顔を上げる。
トガは続けた。
「しかもね」
楽しそうに。
けれど少し緊張した声で。
「通形くんと」
「天喰くんと」
「爆豪くんと」
「轟くんと」
「出久くん」
「勝手に動いてるっぽい♡」
その報告を聞いた瞬間。
ユカリの心臓が大きく跳ねたのだった。