【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第17章 テスト×約束×伏黒
――そして迎えたテスト期間。
5月2日。
窓の外には柔らかな春の日差しが降り注いでいた。
試験会場となった教室には緊張感が漂っている。
配布された試験問題。
静まり返った空間。
生徒たちの視線が一斉に教壇へ向けられた。
試験監督を務める教師が時計を確認する。
そして。
「では、始めてください」
その合図と同時に。
ぱらり、と問題用紙がめくられる音が響いた。
次の瞬間。
カリカリカリカリ――。
無数のシャープペンシルが紙の上を走り始める。
迷いなく解答を書き込む者。
問題文を睨みつける者。
頭を抱える者。
様々な反応がある中で、教室には独特の静寂が広がっていた。
心地よい筆記音だけが一定のリズムを刻んでいる。
その頃。
職員室では。
「…………」
が無言でキーボードを叩いていた。
カタカタカタカタ。
カチッ。
カタカタカタ。
書類を確認する。
印を押す。
データを入力する。
終わらせる。
次。
終わらせる。
次。
終わらせる。
次。
まるで呪具のような速度だった。
机の上に積まれていた書類の山は、ようやく小さな丘程度になっている。
そんな時だった。
「おわったー?」
背後から聞こえてきた気の抜けた声。
聞き慣れた声に顔を上げる。
「五条さん……」
椅子に座ったまま振り返ると、五条が職員室の入り口からひらひらと手を振っていた。
「で、どう?」
は机の上の書類を見た。
残り数枚。
そしてパソコン画面。
未処理フォルダ。
さらに壁時計。
それらを順番に見た後。
「……なんとか」
深いため息が漏れる。
「おー、えらいじゃん」「えらくないです」
かぶせるような即答だった。
ここ2日間の睡眠時間と仕事量を思い出す。
思い出したくもない。
「…私、頑張ったと思うんですよ」
「うん」
「本当に頑張ったと思うんですよ」
「うんうん」
「だからもうだめ……」
ぐったりと机に突っ伏した。
生気がない。
魂が抜けかけている。