【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第17章 テスト×約束×伏黒
さっきまでの勢いがどこかへ消えている。
「な、何かわからないこと……ある……かな……」
明らかにたじたじだった。
伏黒は少しだけ目を細める。
そして。
「……約束」
ぽつりと言った。
「覚えてますか」
は一瞬きょとんとする。
約束。
頭の中で記憶を辿る。
そしてすぐに思い当たった。
全教科90点以上。
お願いを一つ聞くという話。
「う、うん……?」
覚えてるけど。
どうしたの?
そんな表情のまま頷く。
何となく落ち着かなくて視線を逸らした。
それから再び伏黒を見る。
すると。
伏黒は小さく息を吐いた。
「よかったです」
それだけだった。
それ以上は何も言わない。
すぐに視線を教科書へ戻す。
先ほど説明された式を書き写し。
途中式を整理し。
迷いなく答えまで辿り着く。
さらさらとペンが走る。
やがて。
伏黒は教科書をの方へ向けた。
「これで合ってますか」
まるで先ほどの会話などなかったかのように。
いつもの落ち着いた声だった。
「うん、うん」
は答案を見ながら頷く。
そして嬉しそうに顔を上げた。
「正解。」
その声に伏黒が小さく息を吐く。
どうやら間違ってはいなかったらしい。
は教科書を自分の方へ少し引き寄せる。
「じゃあ、こっちの方はどうなるかわかる?」
そう言いながら問題文の横を指先で軽く叩いた。
とん、とん。
「条件が少し変わってるから、さっきと同じ考え方だけじゃ解けないかも」
「……」
伏黒は問題へ目を落とす。
数秒。
頭の中で式を組み立てる。
やがてシャープペンを動かし始めた。
さらさらさら――。
紙の上に数字と記号が並んでいく。
は何も言わない。
ただ隣から見守っていた。
途中までは順調だった。
だが。
ふとペン先が止まる。
「……」
伏黒が眉を寄せる。
式を見直す。
もう一度問題文を見る。
そしてまた式へ戻る。
だが、先へ進まない。
は口を挟まない。
急かすこともない。
ただ静かに待つ。
生徒が自分で考える時間を邪魔しないように。