【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第17章 テスト×約束×伏黒
が首を傾げる。
伏黒は鞄の中から一冊の教科書を取り出した。
数学だった。
机の上へ置くと、慣れた手つきで数ページめくる。
そして付箋の貼られたページを開いた。
「これ」
教科書へ視線を落としたまま言う。
「よくわからなくて」
その言葉に。
の目が丸くなる。
次の瞬間。
ぱぁっと表情が明るくなった。
伏黒は気づかず教科書に視線を落とし、眉をひそめる。
「それで、この場合……」
説明を続けようとして顔を上げる。
すると。
がものすごく嬉しそうにしていた。
思わず言葉が止まる。
「……なんですか」
問われて、は慌てたように笑った。
「いやぁ、ちょっと……」
口元を押さえる。
「っていうか、すごく嬉しくて」
「……」
「まさか、伏黒くんが勉強聞きに来るなんて思わなかったから」
どこか浮き立った声だった。
教師として嬉しいのだろう。
隠そうともしていない。
伏黒は少しだけ視線を逸らした。
「そうですか」
「うん!」
即答だった。
は上機嫌なまま教科書へ目を落とす。
「それで?」
「ここです」
示された箇所を覗き込む。
数秒考え。
「あぁ」
すぐに理解した。
「これはね、こうやって考えるんだよ」
近くにあったシャープペンを手に取る。
余白へ式を書きながら説明を始めた。
「まずこの条件を整理して――」
伏黒も自然と身を乗り出す。
「ここでこの公式を使う」
「……なるほど」
「で、この数字を代入すると」
さらさらと文字が並ぶ。
職員室には紙の擦れる音だけが静かに響いていた。
いつの間にか二人とも教科書へ集中している。
気付けば肩が触れそうなほど距離が近くなっていた。
だが。
説明の途中で。
がふと顔を上げる。
「……って、感じ……か、な?」
確認するために伏黒を見る。
その瞬間。
視線がぶつかった。
近い。
思った以上に近い。
の動きが止まる。
「……」
「……」
数秒。
沈黙。
は慌てて背筋を伸ばした。
「えっと……」