【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
一拍。
「……くっそ頭いてぇ……」
その場にいた全員が黙った。
の脳裏に様々なものが浮かぶ。
破裂した水道管。
倒壊した建物。
破損した道路。
折れた電柱。
隣接する建物への被害。
報告書。
始末書。
損害賠償。
上層部からの呼び出し。
報告書。
始末書。
報告書。
始末書。
「…………」
すぅ、と血の気が引いていく。
「せ、先生?」
リンがおそるおそる声を掛けた。
は俯く。
肩が小さく震えている。
「そ、そっか……」
か細い声。
「あぁ……うん……」
さらに小さくなる。
「えっと……」
何から突っ込めばいいのかわからない。
というか、突っ込む箇所が多すぎる。
しばらく沈黙したあと。
はゆっくり顔を上げた。
少し涙目だった。
「二人とも明日……職員室に来ること……」
「はぁ?」
「それから……」
力なく伏黒を見る。
伏黒は全てを察したような顔をしていた。
そして、しらっとした表情のまま答える。
「はい。俺が連れて帰ります」
「うん……」
「後は……」
言いかけたところで、
「大丈夫……」
が遮る。
「……あとはこっちでやっとく……」
魂の抜けた声だった。
伏黒は少しだけ目を伏せた。
たぶん今頃。
この人の頭の中では報告書の枚数を数えている。
「先生」
「なに……?」
「頑張ってください」
「…………」
は何も返さなかった。
ただ静かにその場にしゃがみ込み、崩れた廃ビルを見上げる。
春の空は、どこまでも青かった。