【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
無機質な灰色の廃ビル。
割れた窓ガラスの奥は薄暗く、外からでは中の様子は窺えない。
「さて。そろそろあっちは終わる頃かな」
そう言って建物へ目を向ける。
伏黒もまた同じ方向へ視線を向けた。
新入生たちだけで挑む初めての実地試験。
もちろん危険はないよう監視しているが、それでも教師としては少し気になる。
無事に終わってくれればいい。
そんなことを考えていた。
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「お前はなんで術師になろうと思ったの?」
ウシオからの質問にリンは少し考えた。
「東京に出たかったの」
色々と話すか迷った末、そう答えた。
「はぁ?なんで…」
「じゃあ、ウシオくんは?」
廃ビル効果なのか、協力心理なのか、
2人の心の距離は少しずつ縮まっているようだった。
「俺は…」
そう言って、立ち止まる。
「力試しってとこかな」
“へぇ”っと相槌を打つリン。
「小さな島で育ったからな。」
五島列島を思い浮かべる。
「で、なんで東京に来たかったん?」
「まぁ、ド田舎だったし…。風習とか、しきたりとか、色々…いやで。」
“そっか”と踏み込まないウシオ
「いわないの?そんなことで何言ってんだ。って」
少し考えて、ウシオが口を開く。
「俺にとっては“そんなこと”でも、お前にとっては大事だったんだろ。」
“いちいち口出しはしねぇ”と、言い放つウシオに目を丸くするリン。
「ウシオくんって、意外とちゃんとしてるよね」
素直な気持ちを口にする。
「意外て…。俺の島では、そういうめんどくせぇ慣わしはなかったけど、強いやつが偉かったからな。」
環境は違えど、その意味をリンはよくわかっていた。
地元の学校。
いじめられるやつ。いじめるやつ。
見て見ぬふりをする教師。
気持ち悪い仲間意識。
互いの顔色を窺って続いてきた隣人関係。
いつだって力が正義だった。
「そっか。ウシオくんとは…」
そう言いかけた時だった。
小鳥サイズの呪霊が宙を舞う。
「あ」
あまりの小ささにため息をはくウシオ。
「んだよ、この雑魚呪霊はよ。」
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