【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
「ほぉ……」
パンダが腕を組みながら感心したように呟く。
「真希の攻撃、どうやってかわしたんだ?
たまたまか?」
訓練場では、再び距離を取った真希と鈴が向かい合っている。
その様子を眺めながら、乙骨が小さく首を傾げた。
「うーん……なんだろう
避けたっていうより……」
視線は鈴へ向いている。
「結構はっきりわかってた感じだけど……」
その言葉に私はぱらりと評価シートをめくった。
「そうそう」
生徒たちがこちらを見る。
「鈴ちゃんはね、視界を共有するんだよ」
「視界を共有?」
虎杖が不思議そうに聞き返す。
「そう!」
私は頷いた。
「おそらく今は、真希ちゃんの視界をジャックしてるんだと思う」
「だから後ろからの攻撃でも気付けた」
「自分の視界と真希ちゃんの視界を同時に見てる感じかな~」
「へぇ……!」
虎杖が素直に感心する。
訓練場の中央では、真希が再び鈴へ踏み込んでいた。
私はそんな様子を眺めながら続ける。
「なるほどなぁ」
パンダが頷く。
そして。
「あれ?」
何かに気付いたように顔を上げた。
「ってことはさ」
「ん?」
「テストの時に答え分かんなかったら、
乙骨の視界ジャックできるってこと?」
一瞬の沈黙。
「それ結構なんでもアリじゃね?」
「ダメに決まってるでしょ」
釘崎が即座に突っ込んだ。
私は思わず吹き出す。
「あははっ、まぁ、要はそういうこと」
肩を竦めながら頷く。
「鈴ちゃんは他人の視界に干渉できる」
そこまで言って。
私は再び訓練場へ目を向けた。
「けど~……」
生徒たちもつられて視線を移す。
その先では。
鈴がぼろぼろになっていた。
制服は土まみれ。
肩で息をしながら、
「はぁ……っ、はぁ……っ」
荒い呼吸を繰り返している。
片目は痛みで閉じられ、
横腹を押さえる手も震えていた。
私は小さくふぅ、と息を吐いた。
「まだまだ伸びしろがたくさんかな」
評価シートへさらさらとペンを走らせる。
そして。
ぱたん、と閉じた。
「そこまで!」
私の声が訓練場へ響く。
真希が動きを止める。
鈴はその場へへたり込み、
「はぁぁ……」
と安堵したように空を見上げた。
そんな鈴を見ながら私は微笑む。