【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
すると。
「俺やる!」
またしても虎杖が手を挙げた。
「今度こそ俺!」
その横で伏黒が小さくため息を吐く。
「えーっと、真希ちゃん!お願いしてもいいかな?」
そう告げた。
一瞬。
場が静まる。
「ま、真希さん!??」
鈴の顔色が変わった。
潮が勢いよく顔を上げる。
「先生」
「ん?」
「それ、死刑宣告」
周囲が頷く。
出会って数分で、真希にボコられた本人が言うのだから
説得力があった。
真希は鼻を鳴らす。
「失礼だな」
「事実だろ」
「もう一発いくか?」
まぁまぁ、となだめつつ、鈴に視線を移す。
「どう?いける?」
優しくほほ笑むに対し固まっている鈴。
「ぁ、、うぅ、、真希さん……ですか……?」
おそるおそる視線を向ける。
真希は肩に担いでいた呪具を下ろしながら言った。
「安心しろ」
鈴の表情が少し明るくなる。
「私は弱い奴をいじめる趣味はない」
直後。
周囲から微妙な沈黙が流れた。
潮が遠い目をした。
虎杖が目を逸らした。
パンダが空を見上げた。
「……?」
鈴だけが状況を理解できていない。
私は苦笑しながら手を叩く。
「よしっ、じゃあ。やってみよっか。」
「真希~ほどほどにな~」
「しゃけ~」
「善処する」
全く信用できない返事だった。
「り、鈴ちゃんっ」
できるだけ優しく声を掛ける。
「大丈夫だよ!
まずは術式とか基礎的な部分を見たいだけだから」
「……!」
その言葉に鈴が少しだけ安心したように息を吐く。
戦闘ではない。
術式を見たい。
それなら。
自分にもできるかもしれない。
鈴は胸元をぎゅっと握りしめると、小さく頷いた。
「……はい」
春風が吹き抜ける。
訓練場の中央へ向かう鈴と真希の背中を見送りながら、
評価シートをめくった。
さて。
この子はどんな景色を見せてくれるのだろうか。