【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
――数分後。
「そこまで!」
私の声が訓練場に響く。
伏黒がゆっくりと息を吐いた。
対する潮は膝に手をつきながら肩で呼吸をしている。
制服には土埃が付き、額には汗が滲んでいた。
悔しそうではある。
だが、不思議と不満そうな顔ではなかった。
伏黒はそんな潮を見下ろしながら言う。
「お前」
潮が顔を上げる。
「なかなかいい術式だな」
ぶっきらぼうな口調だった。
それでも伏黒なりの賞賛だと分かる。
潮は一瞬だけ目を丸くした。
「……あ?」
どう返していいのか分からないらしい。
その時だった。
パンダが勢いよく駆け寄ってくる。
「お前、水を武器に変えられる術式か?
すげぇな!
使い方次第でかなり応用効きそうだな」
矢継ぎ早に言われ、潮は思わず一歩引いた。
「お、おぉ……そうか……?」
明らかに戸惑っている。
さっきまで喧嘩腰だった少年が、急に褒められて対応に困っていた。
虎杖も頷く。
「俺もそう思った!
途中のあの槍みたいなの格好良かったし!」
盛り上がる虎杖とパンダ。
潮は完全にペースを乱されていた。
「いや……別に……普通だろ……」
耳が少し赤い。
その様子を見た釘崎が小さく吹き出した。
「褒められ慣れてないのね」
「うるせぇ」
即答だった。
私はそんなやり取りを微笑ましく眺めながら
評価シートに目を通しながら口を開く。
「潮くんは、水を圧縮して形を変える術式だね。
けど、真希ちゃんの妹、真依ちゃんみたいに、物質を生成するわけではないから、術式を解くと、ご覧の通り。
ただの水に戻っちゃうから。
これからは呪力のコントロールかな~。
それと、呪力量の最大値も少しずつ伸ばしていこうね。」
「…うっす」
「え!?先生には素直なんだ!?」
素直な潮に思わず虎杖がツッコミが入る。
「まぁまぁ!えーっと、体術は申し分なしっ!」
評価シートへさらさらと書き込みながら頷く。
「じゃあ、次は~……」
視線を巡らせる。
そして。
「鈴ちゃん、いこっか!」
突然名前を呼ばれた鈴がびくりと肩を震わせた。
「は、はいっ!?」
慌てて背筋を伸ばす。
まるで先生に当てられた生徒そのものだった。
私はそんな反応に思わず笑みを零す。
「相手は~……
うーん、じゃぁ、次は…」