【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
けれど――。
「虎杖くんかぁ……」
少し考える。
「悪くはないんだけど……」
その時。
ふと視線を横へ向けた。
そして。
ぴたり。
伏黒と目が合った。
伏黒は嫌な予感しかしないという顔をしていた。
私はにっこり笑う。
「あっ」
「伏黒くんかな!」
伏黒の眉間に皺が寄る。
「よろしくねっ」
「……めんどくせぇ」
ぼそりと呟きながら立ち上がる。
一方。
「えぇ~~~~~!?」
虎杖が盛大に抗議した。
「なんでだよー!伏黒贔屓だ~~~」
虎杖は不満そうに頬を膨らませながら座り込んだ。
その横で釘崎が呆れたようにため息をつく。
「子供か」
そんなやり取りをよそに。
潮と伏黒は訓練場の中央へ向かって歩き始める。
互いに無言。
ただ静かに距離を詰めていく。
その背中を眺めながら、釘崎がふと尋ねた。
「ねぇ」
「ん?」
「なんで虎杖じゃなくて伏黒なの?」
私は笑顔のまま答える。
「術式的に相性が良さそうだったから…かな!」
「相性?」
「うん」
それ以上は説明しない。
釘崎は首を傾げたが、乙骨は何かに気付いたように小さく目を細めていた。
やがて。
二人が訓練場の中央で向かい合う。
その姿を確認した私は、
「あっ、そうだ」
と思い出したように声を上げた。
「潮くん」
名前を呼ぶ。
潮が振り返った。
次の瞬間。
私は持っていたペットボトルを放り投げる。
放物線を描いたそれを、潮は反射的に片手で受け止めた。
中身の入った650mlのペットボトル。
透明な水が陽の光を受けて揺れる。
「……?」
私は人差し指を立てた。
「使っていいのはそれだけ!」
「は?」
「それ以外の水は使用禁止だからねー!」
潮の眉がぴくりと動く。
しばしの沈黙。
潮は手元のペットボトルを見下ろした。
そして。
ふっ、と口元を歪める。
「……余裕。」
その返事には、不満よりも。
むしろ楽しそうな響きが混じっていた。
「あいつの術式は水系か、面白そうだな」
真希がにやりと笑う。
「水かぁ。水鉄砲とかそんなかんじかぁ?」
パンダの考察に、“まぁまぁ、見てて。”と楽しそうな。