【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
「あ、あの……」
小さく手を挙げる。
「ど、どこへ行くんですか……?」
誰かに聞くような声。
すると前を歩いていた真希が振り返った。
「ん?」
「訓練場だよ」
「訓練場……?」
鈴の顔色が少し変わる。
真希は口元を吊り上げた。
「これからお前らの実力測定ってやつだ」
「じ、実力……」
「呪術師なんだから当然だろ」
その言葉に鈴の肩がびくりと震える。
「だ、大丈夫かな……」
思わず本音が漏れた。
すると隣を歩いていた釘崎が肩をぽんと叩く。
「大丈夫よ」
「え……?」
「死にはしないから」
「えっ」
「私も1年のとき、先輩たちにボコられたから」
「ボコられ、、えぇ!?」
鈴の顔が青ざめる。
「脅すな」
真希が呆れたように言った。
その後ろでは潮が鼻で笑っている。
「ビビってんなら帰れば?わんちゃん。」
「なっ……!」
鈴が思わず振り返る。
「べ、別に怖がってないし!」
「顔真っ青だけどな」
「うるさい!」
珍しく鈴が声を荒げる。
そんな二人を見ながら、虎杖が楽しそうに笑った。
「確かに戌井さんって、なんか、柴犬みたいだよな。」
「確かに」と、伏黒が淡々と返す。
「なんかもう同期って感じするな!!」
くぅ~っとかみしめる虎杖を横目に訓練場へと足を踏み入れる。
春の風が吹き抜ける。
散った桜の花びらが地面を転がり、遠くには森が見える。
高専の敷地内にある訓練場。
「みんな揃ってるね。」
辺りを見回して、にっこり微笑む。
「じゃあ、まずは潮くんから」
春風に髪を揺らしながら、私は訓練場を見渡した。
「えーっと……そうだね~」
誰を相手にするべきか。
生徒たちの顔を順番に眺める。
その時だった。
「はい!!」
勢いよく手が挙がる。
「俺やりたい!!」
虎杖だった。
目を輝かせながらぶんぶんと手を振っている。
潮も興味を示したように虎杖を見る。
私は顎に指を当てた。
「うーん……」
悪くない。
むしろかなり良い。
虎杖は純粋なフィジカルも強いし、実戦経験も十分ある。
新入生の力量を見るには申し分ない相手。