• テキストサイズ

【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)

第12章 邂逅×解放


忘れるはずもない懐かしい声。

ゆっくりと顔を上げた先。

五条家へ続く石畳の入り口。

降り積もる雪の中、一人の男が立っていた。

白い髪。

黒いコート。

蒼い瞳。

「……やぁ、悟。」

五条は口元だけで笑う。

「久しぶりだね」

白い吐息が零れる。

その視線がゆっくりと夏油の腕の中へ向けられた。

眠る少女の姿を認めた瞬間。

笑みが消える。

「さて――」

雪が舞う。

張り詰めた冬の空気が二人の間を満たしていく。

「うちの大事な先生を攫っておいて

どういうつもりだ」

蒼が真っ直ぐ夏油を射抜く。

そして。

かつて誰よりも近くにいた男の名を呼んだ。

「――傑。」

夏油は、ゆっくりと口を開く。

「久しぶりの親友よりも、よっぽどこの子が大事みたいだね。」

「・・・何をしたのかは知らないが

その答え次第じゃ――僕もお前とやり合わなきゃいけない」

雪が静かに舞い落ちる。

その言葉に、夏油は小さく目を細めた。

「ふふ、随分と物騒な挨拶だね」

五条は首を傾げる。

「そうか?僕としてはかなり穏便なつもりなんだけど?」

白い吐息が夜明け前の空へ溶けていく。

五条は立ち止まっている。

夏油の言葉を待っている。

かつて親友だった男の返答を。

夏油は腕の中の少女へ視線を落とした。

穏やかな寝息。

長い睫毛。

雪明かりに照らされた横顔。

それを見つめる眼差しは、不思議なほど静かだった。

「安心するといい」

やがて夏油は言う。

「彼女は無事だよ」

「それはよかった」

即座に返ってくる。

「だけど、僕が聞いてるのはそこじゃない」

五条の声が僅かに低くなる。

「どうして連れ去った。」

風が吹く。

木々の枝に積もった雪がさらさらと落ちた。

長い沈黙。

そして夏油はゆっくりと五条を見た。

「彼女がそう望んだからだ」

その瞬間。

五条の眉がぴくりと動く。

「……へぇ」

笑っている。

けれど、その笑みにぬくもりはない。

二人の間に、じわりと緊張が広がっていく。
/ 470ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp