第5章 Lesson4 憎めないヤツ
アレクセイは素直に時間割表を差し出した。レイも自然とそこへ目を向ける。そこに書かれていた授業は――。
魔法史…A 呪文学…B
魔法薬学…A 薬草学…A
天文学…B 古代ルーン文字学…B
闇の魔術に対する防衛術…A
計7科目だった。
正直言うと、特におかしい時間割ではない。闇の魔術に対する防衛術がAクラスなのが少し引っ掛かるが、だからと言ってそれを闇の魔術と結びつけるのはあまりにも早計だろう。
ドラコもそう思ったのか、視線が少し和らいだ。
「……意外と多いな」
「でも、君やハーマイオニーほどじゃないよ」
素直にアレクセイがそう言うと、ジニーが「確かにそうね」と笑った。
「それにしても、魔法史を取ったの?」
「うん、家柄って言うのかな?昔から古いものが大好きなんだ。特に古代魔法には興味があってね」
「へえ……」
――古代魔法。その言葉に、レイは一瞬召喚術の研究のことが頭をよぎった。
古代魔法の観点から召喚術を読み解く……中々面白いかもしれない。今度時間がある時に、アレクセイと色々意見を交わすのもありだろう。
レイがそんな風に考えている中、ネビルが突然嬉しそうに声を上げた。
「あ!薬草学も取ってるんだね! 僕、薬草学ならちょっとは自信があるんだ」
「そうなの!? 僕も薬草学は得意だよ!」
アレクセイは嬉しそうに笑うと、今度は珍しく少し自慢げに話し始めた。
「僕の家は本当に田舎にあって、今でも村のおばあさんとかが薬を取りにやって来るんだ」
「魔法使いが煎じた薬を、マグルのおばあさんが?」
「うん。ちょっとした怪我や、風邪を引いた時なんかに使うものをね」
そう言ってから、アレクセイは懐かしそうに目を細めた。その表情には、今まで見せていた明るさとは少し違うものがあった。遠く離れた故郷を思い出しているのだろう。
「昔は、医者も魔法使いもそんなに変わらなかったから。薬草を使って病気や傷を治したり。魔法医学なんて言葉があるけれど、昔はもっと境目が曖昧だったんだ」
「それはとても興味深いわ!彼方が薬を煎じた事もあるの?」
「うん。だから薬草学や魔法薬学は得意なんだ!」