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その距離、反則につき。

第5章 Lesson4 憎めないヤツ


 ハーマイオニーとドラコが額を押さえると、ネビルも困ったように苦笑いをした。ジニーとルーナも、もはや何も言わない。というか、何も言えなかった。
 レイが独自の考え方を持った、ある種の変人なのは知っていたが、それでもこうしていざ同級生として授業を受けることになってみると、改めて思う。――やっぱり、この人は変わっている。

 そんな空気が、その場にいる全員の間に流れた。ただ一人、アレクセイをのぞいて……。

「良かった! 僕も天文学はBクラスなんだ!」
「そうなのか?」
「うん!」

 一緒で嬉しいよ!と言って勢いよく手を取ると、アレクセイは大きく手を上下に振った。もしアレクセイに犬のような尻尾が生えていたなら、今頃は千切れんばかりの勢いで振り回していることだろう。

「僕も星を見るのが好きでね! 望遠鏡で覗くのも好きだけど、やっぱり満天の星空を両手いっぱいに広げて見るのが一番好きなんだ!!」
「気が合うな、私も満天の星空を眺めるのが一番好きだ」

 自分と同じものを好きだと言ってくれる。ただそれだけのことなのに、こうして素直に共感してくれる相手がいることが嬉しくて、また新鮮だった。
 嬉しそうに笑うレイとアレクセイを、ドラコは半眼で眺めていた。昨日今日現れた転校生とレイが打ち解けているのが気にくわないのだろう。レイがチラリと横目で見ると、ドラコは露骨に面白くなさそうな顔をしていた。
 しかし、ふとハーマイオニーが尋ねたことによりふっと空気が変わった。

「……そういえば、貴方の時間割は?」
「僕?」
「ええ。さっきから私達の時間割ばかり見ていたけれど、あなたはどんな授業を選んだの?」
「そういえば気になるわね」

 ハーマイオニーだけでなく、ジニーも興味を示した。ルーナとネビルもの手元を覗き込む。
 確かに、よく考えてみると自分たちはアレクセイの事をよく知らない。何が好きで、何が苦手なのかも。
 ただダームストラングからの転校生と言うことは、あの死喰い人だったイゴール・カルカロフの元で授業を受けていたと言う事だけは、紛れもない事実だった。
 ドラコの眼が、鋭くアレクセイを貫く。
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