第5章 Lesson4 憎めないヤツ
「おはよう、みんな!」
「あら、おはようネビル」
「時間割を持ってきたよ。はい、みんなの分」
ネビルから時間割り表を受け取ると、皆それぞれ自分の時間割りに目を通した。
呪文学……Aクラス 魔法薬学……Aクラス
変身術……Aクラス 薬草学……Cクラス
天文学……Bクラス
闇の魔術に対する防衛術……Aクラス
6科目中Aクラスが4つ、Bクラスが1つ、Cクラスが1つ。これに7年生は錬金術の授業が加わるらしいが……それにしても我ながら「とても整頓」された時間割だ。
「……え? ちょっと待って。これ、ハーマイオニーの時間割?」
興味本意でハーマイオニーの時間割りを覗いたのか、ジニーの驚く声が聞こえた。いや、驚くというよりも、若干引いている。無理もない、きっとハーマイオニーのことだ、最後の1年を締めくくるべくほぼ全ての授業を取ったのであろう。
目を白黒させているジニーに、ハーマイオニーは何て事ないと言わんばかりにこういった。
「確かに少し多いけれど、E.N.W.T試験の後の進路を考えると、これくらい取っていて損はないわ」
さも当然と言いたげなハーマイオニーの表情を見て、ジニーは改めてハーマイオニーという傑物の本性を見たようだ。
その向かいでは、ハーマイオニーとほぼ同じ時間割を眺めているドラコがいた。こちらはきっと、小父様に「マルフォイ家当主として恥ずかしくない成績を」とでも言われたのだろう。レイには容易に想像できた。
「ええっ!ドラコ、まさか君もかい!?」
アレクセイがドラコの時間割を覗き込み、驚きの声を上げた。と同時にジニーとルーナも、つられる様にドラコの時間割を覗き込み、やはりアレクセイと同じく驚きの声を上げた。
「こっちもほとんど全部の教科!?」
「それも全部Aクラス……」
「ドラコはともかく、ハーマイオニーはこんなモノじゃないぞ」
驚く3人を尻目に、レイは落ち着いた様子でミルクティーを一口飲んでから、ハーマイオニーに視線を移した。
「授業が始まるのを楽しみにしておけ」
あの高速の挙手と、教科書顔負けの解説は、真似しようと思っても出来るものじゃない。
レイが赤い唇をニィッと弓なりに曲げると、ハーマイオニーが少しだけ困ったように笑った。