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その距離、反則につき。

第4章 Lesson3 熱を上げているのは?


「やったよドラコ、君と同じ寮だ!これからよろしくね!!」
「まさかお前がスリザリンに選ばれるなんて……」
「僕の家は古い時代からの魔法族だからね。もしかしたらそれが原因なのかもしれない」
「古いって、どれくらいだ?」
「分かんない。でももう数えるのも嫌になるくらいだと思うよ」

 このあっけらかんとした青年がスリザリンなんて……いや、この感覚がもう前時代的なんだろう。
 最後の組み分けが終わるのを待って、マクゴナガル先生が静かに口を開いた。

「諸君、組み分け帽子は今年も変わらず諸君らを4つの寮へ導きました。しかしここは既にホグワーツではありません。ですからこれまでと違う点が多々あります」

 ここでマクゴナガル校長が一呼吸置いた。次の言葉を聞こうと、大聖堂がシーンと水を打った様に静かになる。

「残念ながらこの仮校舎では、戦前のホグワーツと同じ設備を再現することは出来ませんでした。寮生活も従来とは異なります。寮は男女別に設けられた2つの寮のみです。そして限られた空間を有効に使うため、談話室は男女共用となります」

 男女別の2つの寮と、共同の談話室と聞いて、生徒たちからどよめきが起こった。もしかして各寮ごとに紋章の入ったピンバッジが配られたのは、それも原因の1つなのかもしれない。
 マクゴナガル校長は咳払いをして生徒たちを静かにさせると、更に驚くべき言葉を口にした。

「また授業についてですが、こちらも寮ごとではなく、A・B・Cと学力別のクラスで行います」
「学力別ですって!!?」

 ハーマイオニーがひときわ大きな声を上げた。当たり前だ、彼女にとって授業が学力別なんて天と地がひっくり返ったようなものなのだから。

「それとあなた方に渡した、各寮を印したピンバッジですが、これは常に身に着けておくように。この仮校舎は位相を利用した現実とは少し異なる空間にあります。人によっては空間認識が狂う可能性がありますので、それを防ぐ為の魔法が掛けられています」

 空間認識が狂う――確かにアーチをくぐった時に味わったあの不思議な感覚は、人によっては不快というか、異様に感じるかもしれない。それに寮が男女2つしかないと言うことは、誰がどの寮に属しているか見極める大切な物にもなる。
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