第4章 Lesson3 熱を上げているのは?
マクゴナガル校長に代わり、フリットウィック先生が羊皮紙のリストを見ながらABC順に名前を呼んだ。
「アダムス・カレン!」
名前を呼ばれると、金髪で太いおさげをした女の子が緊張した様子で前に出てきた。三本足のスツールに座り、くたびれて継ぎ接ぎだらけの組み分け帽子を被ると、すぐに「ハッフルパフ!」と帽子が叫んだ。
ハッフルパフのピンバッジを貰ったカレンは、どこに座れば良いのかキョロキョロ辺りを見回していたが、すぐにハッフルパフの上級生が自分の隣を開けた。
――そうか、寮ごとのテーブルが無いから、新入生には積極的に声をかけてあげなければいけないのか。まあ自分の隣には責任感の塊かつ主席のPバッジを胸に付けたハーマイオニーが居るから、出番はないだろう。
そう思って組み分けを眺めていると、遂にグリフィンドールの名前が上がった。
「こっちよ、ここに座って!」
案の定ハーマイオニーはパッと手を挙げて新入生を自分の隣に座らせた。それ以降も、グリフィンドールの名前が上がる度に、ハーマイオニーは新入生が座る席を素早く指示した。その向かいでは、ドラコが悠々と組み分けを眺めている。
「仕事をしなくて良いのか?スリザリンの監督生さん?」
「僕の仕事は君に悪い虫がつかないか見守る事だ」
「安心しろ、傍にハーマイオニーが居る」
「まあ、確かにグレンジャーが居るなら安心か」
「!?」
ここまでの道中でも思ったが、「あの」ドラコがハーマイオニーを信用しているのが、レイには驚きだった。いつも彼女の事を『穢れた血』と言っていた蔑んでいた超・純血主義者がこうも変わるなんて……。
それにハーマイオニーも、ドラコに対して以前の様に敵対心を持っている様子はない。もしかしなくとも排他的――前時代的なのは自分の方なのだろうか。
そんなことを考えていたら、もうアレクセイの番になっていた。本当に、今年の新入生は数が少ない。うわさでは今年の新入生は過去最低の人数らしい。
「ヴァレンタイン・アレクセイ!」
『スリザリン!!』
「「「ええぇ!?」」」
まさかの組み分けに、レイ、ハーマイオニー、ドラコは口をそろえて驚きの声を上げた。スリザリンが「どういう寮」かアレクセイも知っているだろうに、彼は戸惑うそぶりも見せず真っすぐドラコの隣へやってきた。
