第4章 Lesson3 熱を上げているのは?
それまで少し離れたところで静観していたハーマイオニーが、急に前に出てきた。レイは咳払いに紛れて「ロナウド」と忠告すると、ハーマイオニーは少し焦りながらアレクセイから一歩後ろに下がった。
「クラムって、ヴィクトール・クラム?彼は学校の中でもヒーロー過ぎて、友達どころか知り合いにもなれなかったよ」
「へえ?たかがクィディッチの選手に声もかけられなかったわりには、僕らに対して遠慮と言う文字が欠けている様だが?」
「ドラコ、言い方」
「本当の事だろう?」
ドラコはレイの前に立ちふさがったまま、その冷たいブルーグレイの瞳でアレクセイを睨みつけた。するとアレクセイは、またしても犬の様に見えない尻尾を下げてシュンとした。
「ごめん、不快にさせる気はなかったんだけど……」
完全に叱られて落ち込むゴールデンレトリ――もといアレクセイの姿を見て、流石のドラコも罪悪感を覚えたらしい。「まあ、不用意にレイに近づかないなら」とポツリと呟くと、またしてもアレクセイの顔がパアッと明るくなった。
「分かった、ありがとうドラコ!」
「おや、君は転校生だったね。組み分けをしなくちゃいけないからあちらへ並びなさい」
「はい!みんな、それじゃあね!!」
スラグホーン先生の言葉に従い、アレクセイは大きく手を振りながら組み分けを待つ新入生の集団に雑じって行った。
頭が2つ分――いや、3つ分以上抜き出ているアレクセイの姿に新入生たちは驚いていたが、本人はそんな事お構いなく親し気に話しかけている。
どうやら本当に悪意が無いというか……人懐っこい性格みたいだ。
それからレイとハーマイオニーもマクゴナガル先生の所へ行き、グリフィンドールの紋章が描かれたピンバッジを貰った。これに何の意味があるのか分からないが、取り合えずローブに着ける。すると何故か少しだけ視界がクリアになった気分がした。
「ハーマイオニー、今の……」
「ええ、感じたわ。これには何かしらの魔法がかかっているみたいね」
詳しい事はマクゴナガル先生の説明を聞きましょう、と言ってようやく3人は教会の奥である祭壇に向かった。祭壇の周辺には木製の長テーブルが2つあったが、本来あるべく各寮のタペストリーが無い。どこに座ろうか迷った挙句、3人は空いている中ごろのテーブルに並んで座った。
