第3章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ**
俺はその手を取って、身体の脇へ下ろす。
隠すものがなくなった胸元に、また視線が吸い寄せられた。
この前、倉庫でも思ったけど……。
って、着痩せするタイプなのか。
を庇おうとして、事故で触れてしまった柔らかい感触。
それが突然、鮮明に蘇ってきた。
あの時は驚きと焦りで、すぐに手を離してしまった。
なのに今は、もっと触れたい。
もっと知りたい。
誰にも見せたことのないを、俺にだけ見せてほしい。
俺はの背中へと手を回し、下着のホックを探り当てた。
(……これ、どうやって外すんだ?)
指先で金具の構造を確かめる。
なんとなく知識としては知っていたはずなのに、いざ本物を前にすると勝手が違う。
片手でつまんで外そうとするが、布地が引っ張られるだけでうまく外れない。
(……くそっ)
こういう時、もっとスマートに外してやりたいのに、自分の不甲斐なさに苛立つ。
俺の焦りが伝わったのか。
目を瞑っていたが、そっと薄目を開けて俺を見た。
少しだけ困ったように眉尻を下げている。
(……こんなところで手間取ってんじゃねぇよ)
焦るな。
そう自分に言い聞かせて、息を吐いた。
今度は両手を使って慎重に金具をずらすと、ぱちんと小さな音がして、ようやくホックが外れた。
胸元を締め付けていた布の張りが、ふっと緩む。
水色のレースに指をかけると、の身体が強張るのが伝わってきた。
「……ずらすぞ」
声をかけると、は震えながらも頷いてくれた。
その了承に背中を押されるように、下着を上へずらす。
俺は、息をするのも忘れて固まってしまった。