第25章 紐解くスコア【 】
『物理的時間が流れていないから、ハロウィンからの十九日間を、五条 悟がどう感じたか私たちに理解することはできない』
一瞬のように感じているかもしれないし、逆に百年以上 待ちぼうけを喰らっている状態かもしれない。
「ふむ……そんで?」
虎杖が先を促すと、“天使”は軽く息を吐いた。
『私が懸念しているのは、五条 悟の精神状態だ。彼は現代最強の術師なんだろう?』
「五条がもし錯乱しているようなことがあれば、こんな狭い空間で封印を解くのは危険……ってことでしょ」
コツコツと靴を鳴らしながら、家入がやって来る。隣には京都校の西宮 桃の姿もあった。
「それは……確かに……」
「ヤバいかも」
「デンジャラスだな……」
秤の隣にいた綺羅羅も一緒に、虎杖は冷や汗を流す。
「でも、どこでやるんですか?」
「広さがあって、障害物が少ない場所ってことでしょ?」
順平が唸る隣で、桃も考える仕草をした。
「埼玉に、高専が修練場として使ってる鉱山がある。あそこなら大丈夫だろ。ただ……」
家入が少し目を伏せて言い淀む。
「どうしたんスか?」
虎杖が尋ねると、彼女は「いや」と小さく首を振った。
「悪いが、私はここから離れることができない。医療班はこっちで手配しておく。乙骨は【反転術式】が使えるし、ある程度の事態には対応できるだろう」
「まぁ、それなら……」
確か、星良も所用で動けないと七海が言っていたな。
よりによって、なんで二人とも……。
いや。五条ならきっと大丈夫だろう。
【獄門疆『裏』】を布に包み直す髙羽の背中を見つめながら、虎杖は静かに拳を握りしめた。
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