• テキストサイズ

夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】


『これは…… “完全な球体”……』

 万の生み出した完全な球体――【真球】を前に、さすがの宿儺も軽く目を見張っている。それを見て、万は得意げに口角を上げた。

 ゴッと打ち出した【真球】に宿儺が飛び退くように躱すが、その軌道が辿った地面は消し飛んでいる。


 実現が不可能とされている【真球】――それには接地面積が存在せず、無限の圧力を生むことができる。


「触れることのできない完全な球体……アナタは受け入れられるかしら、本当の愛を……‼︎」


 ――【領域展開 三重疾苦(しっくしっくしっく)】


 昆虫の脳や神経が広がる領域を展開した万は、すぐに目を見開いた。


 なんで……領域を展開しないの⁉︎


 パチパチと宿儺を取り巻く光が小さく音を爆ぜさせている。ただ それだけ。宿儺が【領域展開】の掌印を結ぶ気配はない。

 どうして……宿儺は見ていたはずだ。

【真球】に触れることはできない。そして、この領域には その【真球】が必中効果として付与されている。万が術式を発動させれば、宿儺は消し飛ぶだろう。


 そのとき――……。


『【烙印・凶兆の星・星天を呑み干す――謹請現示「地龍」】』


 ズルンッと宿儺の影から漆黒の龍が現れた。その双眸は宿儺と同じ血を固めたような赤色。

【地龍】はそのまま天上へ昇り、轟音を立てて万の領域を突き破った。


 うそ……ありえない……【真球】を破壊するなんて……。


 愕然とする万を宿儺と【地龍】――二対の紅い瞳が見据える。そして、宿儺が傍らに降り立った【地龍】に合図を出した。

 身体をしならせ、勢いよく迫る【地龍】が万の腹へ喰らいつく。そのまま突き上げられた万は後方へ吹き飛ばされ、地面へ叩きつけられた。

* * *

/ 548ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp