夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第21章 声にならないラメントーソ【熟む〜呪胎戴天-伍-】
「話を戻そう。憂太や星也さんと同格の由基さんが【九相図】や天元様と協力して敗れたんだ。分かっちゃいたが一筋縄じゃいかねぇな、羂索は……。【獄門疆『裏』】が無事なのが不幸中の幸いだ」
そう淡々と語る真希から、感情らしい感情が見えてこない。焦りも動揺も……この場にいる誰よりも落ち着いている。
たった数日でこの変わりよう――いったい何があったんだ?
「真希……君は……」
星也に呼ばれ、真希が目を瞬かせる。星也は何か言おうと口を開きかけるも、結局 「いや」と首を横に振っただけだった。
「……こっちの状況を伝える」
「そうだな」
頷いた真希の視線が髙羽と華に向く。そういえば、まだ紹介してなかったな。
「二人は協力者だ。【死滅回游】泳者の髙羽 史彦さんと来栖 華さん」
「その見た目……“天使”か?」
真希の視線に微かに怯み、華がそれとなく星也の背中に隠れた。
「あぁ。華の中にいる“天使”には事情を説明してある。【獄門疆『裏』】解呪の協力も得られた」
「さすがだな。“天使”の協力が得られるか不安要素は大きかったが……」
「星也の頼みですからね。当然です」
意味もなく胸を張る華に、星也が「ありがとう」と短く声を掛ける。
「それと、星也さんはなんでこっちに? “天使”もそうだが、第2にいるはずだろ?」
「“天使”の協力で結界を移動したんだ」
真希の疑問に星也が“天使”と出会ってから結界を抜けるまでの経緯を説明した。