夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第18章 その裏に隠されたインクィエート【未知への供物】
結局 “慣らし”を完了させないため、軍人救出で方針が決まった。
そこから二手に分かれ、華は星也と共に空から俯瞰で状況の確認と軍人の救助に向かう。そこからさらに、星也とも手分けをすることになった。
やがて、華は呪霊に襲われる軍人を見つける。
まるで釣りを楽しむかのように人間を弄び、喰らう呪霊に、華は一瞬の躊躇いもなく手を伸ばした。
「Jesus……Is that an angel...?」
軍人の男が自分の手を取ろうとしたところへ、ヒュンッという音が耳に届く。振り返れば、呪霊の持つ釣り針の先が迫った。
『華!』
珍しく緊迫した“天使”の呼びかけに応えることもできず、華は軍人を背後に庇う。
「――華!」
その声に華はハッと目を見開き、同時に抱きしめられる感覚に身体が硬直した。
――ゴォォォッ!
炎がうねりを上げ、周囲にいた呪霊たちが奇声を上げながら燃やされる。
「星也……?」
「無茶しすぎだよ。でも、よくやった」
優しく頭を撫でられ、目尻が熱を持った。
まるで、自分の存在が……これまで積み重ねてきた人生が肯定されたような――そんな幸福感。
柔らかな微笑を向けられ、華は「はい」と泣きそうな顔で笑みを返した。
* * *