第6章 悪魔
天井からなにかキラキラしたものが吊り下がっている。それはよく見ると銀色の金属プレートのようなもので作られた月や星、星座などを模したオブジェだった。それ以外にも、入口と同じような暗幕が幾重にも天井から下がっており、なんとも神秘的な雰囲気を醸し出していた。
こころなしか、外よりもひんやりしているような気がした。
「あら・・・お客様ですね?」
奥から女の人の声がした。
どうやら更に暗幕がかかっており、その向こうに誰かがいるらしかった。
その暗幕をめくってそっと中を覗く。
あ・・・
そこにいたのは、オリエンタルな黒尽くめの貫頭衣を身につけた髪の長い女性が座っていた。何よりボクを驚かせたのは、その目が黒い布で覆われていたことだった。
「ああ・・・この格好に驚かれたのですね?
申し訳ありません。驚かせるのは本意ではないのです。
ツクミが・・・いえ、ここのオーナー様の指定で、このような格好に・・・」
そう言うと、にこりと笑った。
「どうぞ、おかけください。
私は夢占い師の『ユメノ』です。
この遊園地には、ひと月に一度、こうして出張してきているんです」
お見知り置きを・・・そう言って頭を下げた。
「本日は、占いですか?
それとも、夢のご購入?」
そんな風に聞かれた。ボクは咄嗟にツクミの『注意事項』を思い出した。
「あ・・・えっと・・・お、お金を持っていないので・・・」
「そうですか・・・分かりました。
では、夢占いをいたしましょうか・・・」
「夢占い?」
「なにか、覚えている夢はありますか?」
ボクは頭を捻ってみたけれども、その実、ここに来る前のことは全く覚えていなかった。当然、今朝見た夢なんかも何もわからない。
仕方がないので正直にそれをユメノに打ち明けた。
するとユメノはカードを一組出してきて、そこから一枚引くように言ってきた。
「心配いりません。ちょっとしたカード占いです。
ここで出たカードにちなんだ昔語りを、
私からさせていただくことでいかがでしょうか?」